試練
今までいくつもの偶然を通り過ぎて来た僕は
精神的にも肉体的にも疲れ果ててきていて
いつしか「感動する」っということがなくなってきていました。
旅の最中でこれはまずい、
なんとか気を高めようと色々と観たり味わったりしてみても
この旅の垢を落とすことは到底無理で、どうすればいいのかわからないまま
深い虚無感がまとわりついていました。。
何が抜けているのか考えて辿り着いた先は
まずこれじゃただ外にいるだけのニートじゃねーか、と
自分自身が、何もやっていない!
ただ運転して観光地を観てあーだこーだ言っているだけなんじゃないかと。
どうにかしようとガイドブックを観ていると高さ60m
ビルにすると10階以上の命綱なしの
命懸け木登り
「これだ!!」
その聖なる樹のある土地の名は
ペンバートン
そこは全てがものすごい高さの樹でその森の奥に
その樹は君臨していました。
看板には「Own Your Risk」
下から見上げるととりあえず一番上は見えない
そしてこの樹にはなんか棲んでいる気配を感じました。
名前はカリーの木。
こりゃカリン塔だな!
「カリン様に会いに行ってくっぞ!ウパ!」
で
全神経を集中して一歩一歩両手両足を階段に乗せてよじ登る動きは
悟空はともかく一般人には慣れない動きで、ほぼ垂直上がり。
いつのまにか手足は汗でぐっしょり、
何回か目元が酔い手元が狂って、踏み外しそうになり、
ここで死んだ人とかいんのかな?っとかチラ付きながらも、
なんとか一番上展望台まで登りきりました。
ひょっこり森から突き出ているてっぺんは爽快そのもので
なによりこの達成感は久しぶりでやっぱり気持ちいいなーっと思った
この景色より僕はこの状態がたまらなく好きで、もうここでラウンド止めるか?
っとか軽く思ったりしていると
ふっと自分のいる位置を自覚しました。
下から見たらわからない景色がそこにはあって、
登った人にしかわからない景色がそこにはあった。
僕もいつか自分自身の景色をみれるようになりたいなーっと思った。
意気揚々と
アルバニーを目指し残り100キロ位の場所で、様子のおかしかった
車がストップ
初回の車、レッドカーが頭をよぎりました。
しかも今度は何もない森の中で。
携帯は繋がったので車に詳しい友達に電話して聞くと
「それもうだめなんじゃない」っと厳しいお言葉、
「ああ終わったか・・・」とマジで思っていると
バイクに乗った地元らしきおっちゃんが止まってくれて
色々見てもらったのですが「自分には無理」
っとのことで車に詳しい友達を連れてくるっと言ってその場を去っていきました。
直らなかったらパースに戻ることとか考えながら、待つこと30分
ゴツ目のタトゥー入りの親父とその奥さんが現れ、
3分位見てもらうと、エンジン始動!
最初40$請求されたんですがマジ手持ち20$しかなく、それでOKでした。
夜、8時頃アルバニーに到着。思ったより栄えてて、
バーガー食って宿泊先探してたんですが
なかなか見つからず、フラフラしていたら
怪しまれた警察に止められて、自分が迷子だとわかると
そこまで案内してくれて、なんとかその日はベッドで眠ることができました。
この日は命がけの木登りで「制覇した」っと思ったらまた奈落の底に落ち、
そこから生還して普通の感動とはまた違った感動を覚え、
「命がけの起伏感覚」っという到底使い道のない代物を手に入れられた気がしました。
でもあんま自分の命を火で炙るのは良くないなぁーっとかつくづくおもうので、
良い子のみなさんはやめましょう。